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以前AWSでパルワールドサーバーとして設定する記事を書きましたが、やはりクラウドの利用料金が高いなと思ったので、今回は自宅のWindowsマシンをパルワールドサーバーとして設定する方法を紹介します。
この記事で説明すること
- Windowsマシンをパルワールドサーバーとして設定する方法
- 自宅のパルワールドサーバーへ接続できるよう、ポート開放する方法
- パルワールドの起動ポート番号を変更する方法
- DDNS Nowを利用してグローバルIPが変更されても同一URLでアクセスできるようにする方法
それでは早速設定していきます。
目次
WindowsマシンにPalworldサーバーを設定する
まずはWindowsマシンを設定していきます。
SteamCMDをインストールする
https://developer.valvesoftware.com/wiki/SteamCMD#Downloading_SteamCMD
にアクセスして[1]のリンクからダウンロードしましょう。

D:\\steamcmd
などのフォルダを作成します。

先程ダウンロードした steamcmd.zip
を配置して、解凍します

Windows + R キーを入力して表示された「ファイル名を指定して実行」ダイアログの名前に cmd
と入力してコマンドプロンプトを起動します。

先程作成したフォルダにcdで移動します。ここで、作成したフォルダを指定するのですが、Cドライブ以外の場合、 /d
オプションの指定が必要です。
cd /d D:\\steamcmd
steamcmdを起動します。
steamcmd
完了すると Steam>
と表示されます。

一旦exitと入力して閉じておきます。
exit
パルワールドのサーバーをインストールする
以下のコマンドを実行します。
.\\steamcmd +login anonymous +app_update 2394010 validate +quit
パルワールドがインストールされているディレクトリに移動します。
cd .\\steamapps\\common\\PalServer\\
以下コマンドでパルワールドの専用サーバーを起動します。
.\\PalServer.exe
以下ダイアログが表示された場合は「許可」をクリックします。

起動したら立ち上がったターミナルを選択して「Ctrl」+ 「C」を押して一旦止めておきます。

自宅のサーバーに接続できるようポート開放する
まずはご自身のネットワークアダプタの情報を確認します。先程使用したコマンドプロンプトで以下コマンドを入力します。
ipconfig /all
ネットワークアダプターの情報がいくつか表示されるかと思います。使用しているネットワークアダプターの「物理アドレス」の値をコピーしてテキストエディタ等に控えておきます。
見つけ方としてはWindowsキーを押して表示されたスタートメニューに「ネットワーク」と入力して表示された「ネットワーク接続の表示」をクリックします。

ネットワークアダプターの一覧が表示されますので、インターネット接続に使用しているアダプターを見つけてください。
続いて、インターネットからアクセスされたときに自宅PCにトラフィックが届くよう設定します。
ブラウザからルータの設定画面を開きます。
Baffaloのルータの場合は 192.168.11.1
です。このアクセス先のIPはルータのメーカによって異なるので、説明書やネットで検索したりして確認してください。
<メーカー名> ルーター 管理画面
などととググってみてください。
ルータの管理画面にログインします。初期ログインIDとパスワードはルータの側面等に書いてある場合が多いです。
ここからはルータによって表示されているメニューの名前が異なる場合があります。ご了承ください。
ローカルIPアドレスを固定化する
通常の設定ではDHCPサーバーの機能を利用して、接続時にローカルIPアドレスを割り当てています。サーバーを外部に公開する場合、ローカルのプライベートIPアドレスが変わるとルーティングがうまくいかなくなるので、固定化します。
LAN > DHCPリースというメニューを開きます。

事前に調べたMACアドレスの状態を「手動割当」にします。こうすることで再接続時してもプライベートIPアドレスが変わらないように設定できます。
バッファロー公式でも案内があります。
参考:https://www.buffalo.jp/support/faq/detail/15917.html

外部から来たトラフィックを自宅PCにルーティングする
外部からのアクセスをルータがどこに転送すべきかを設定しておく必要があります。
以下で設定します。
「ポート変換」メニューを開きます。※製品によっては「IPマスカレード」という名前のメニューかもしれません。

インターネットから来たトラフィックを自宅PCのUDPポートへマッピングします。
Baffaloルータの場合、ポート変換できる番号が限られており、8211はポート転送の利用可能ポート番号ではありせんでした。ですので、別のポートを利用します。この例では 54880
を利用していますが、ルータの転送設定上問題ない方は8211
ポートを使用して問題ないと思います。
LAN側IPアドレスは、ローカルのIPアドレスで、事前に ipconfig /all
コマンドで調べてたものを指定します。

後ほど、パルワールドサーバーの利用ポートを合わせて修正します。
Windowsファイアウォールで接続を許可する
通常、Windowsファイアウォールやアンチウイルスソフトウェア等で外部からのアクセスはできないよう設定されています。
ここでは先程ルーティングした外部からのアクセスを許可するよう設定します。
Windowsキーを押してメニューが表示された状態で Windows Defender
と入力します。
「WIndows Defender ファイアウォール」をクリックします。

「詳細設定」をクリックします。

左メニューの「受信の規則」をクリックして、「新しい規則」をクリックします。

「ポート」を選択して「次へ」をクリックします。

UDPを選択して、先程ルータで設定したローカルポートを指定します。
ここではルーター側で設定したポートに合わせてUDPのポート番号を指定します。図の例では 54880
を指定しています。

「接続を許可する」が選ばれている状態で「次へ」をクリックします。

そのまま「次へ」をクリックします。お好みでプライベート、やドメインは外しておいてもいいかもしれません。

わかり易い名前と説明を付けて「完了」をクリックします。

PALWORLDサーバーのポート番号設定を変更する
今回ルータがPALWORLDのデフォルトである8211ポートの転送に対応していなかったので、 54880
ポートを割り当ててます。
パルワールドサーバー側の設定も変更しましょう。
以下をテキストエディタで開きます。sakuraエディタを使っています。
D:\\steamcmd\\steamapps\\common\\PalServer\\Pal\\Saved\\Config\\WindowsServer\\PalWorldSettings.ini
最初は空ファイルになっているので、以下のファイルにあるデフォルト設定をコピーして貼り付けます。
D:\\steamcmd\\steamapps\\common\\PalServer\\DefaultPalWorldSettings.ini
TIPS: 右端で折り返すと見やすいです。 ALT → O → W と入力することで設定できます。よく使います。

PublicPort=8211
となっている箇所でポートを指定していますので、今回用に変更します。
PublicPort=54880
に変更しました。
DefaultPalWorldSettings.ini
; This configuration file is a sample of the default server settings.
; Changes to this file will NOT be reflected on the server.
; To change the server settings, modify Pal/Saved/Config/WindowsServer/PalWorldSettings.ini.
[/Script/Pal.PalGameWorldSettings]
OptionSettings=(Difficulty=None,DayTimeSpeedRate=1.000000,NightTimeSpeedRate=1.000000,ExpRate=1.000000,PalCaptureRate=1.000000,PalSpawnNumRate=1.000000,PalDamageRateAttack=1.000000,PalDamageRateDefense=1.000000,PlayerDamageRateAttack=1.000000,PlayerDamageRateDefense=1.000000,PlayerStomachDecreaceRate=1.000000,PlayerStaminaDecreaceRate=1.000000,PlayerAutoHPRegeneRate=1.000000,PlayerAutoHpRegeneRateInSleep=1.000000,PalStomachDecreaceRate=1.000000,PalStaminaDecreaceRate=1.000000,PalAutoHPRegeneRate=1.000000,PalAutoHpRegeneRateInSleep=1.000000,BuildObjectDamageRate=1.000000,BuildObjectDeteriorationDamageRate=1.000000,CollectionDropRate=1.000000,CollectionObjectHpRate=1.000000,CollectionObjectRespawnSpeedRate=1.000000,EnemyDropItemRate=1.000000,DeathPenalty=All,bEnablePlayerToPlayerDamage=False,bEnableFriendlyFire=False,bEnableInvaderEnemy=True,bActiveUNKO=False,bEnableAimAssistPad=True,bEnableAimAssistKeyboard=False,DropItemMaxNum=3000,DropItemMaxNum_UNKO=100,BaseCampMaxNum=128,BaseCampWorkerMaxNum=15,DropItemAliveMaxHours=1.000000,bAutoResetGuildNoOnlinePlayers=False,AutoResetGuildTimeNoOnlinePlayers=72.000000,GuildPlayerMaxNum=20,PalEggDefaultHatchingTime=72.000000,WorkSpeedRate=1.000000,bIsMultiplay=False,bIsPvP=False,bCanPickupOtherGuildDeathPenaltyDrop=False,bEnableNonLoginPenalty=True,bEnableFastTravel=True,bIsStartLocationSelectByMap=True,bExistPlayerAfterLogout=False,bEnableDefenseOtherGuildPlayer=False,CoopPlayerMaxNum=4,ServerPlayerMaxNum=32,ServerName="Default Palworld Server",ServerDescription="",AdminPassword="",ServerPassword="",PublicPort=54880,PublicIP="",RCONEnabled=False,RCONPort=25575,Region="",bUseAuth=True,BanListURL="<https://api.palworldgame.com/api/banlist.txt>")
その他の設定はお好みで変更してください。
https://harikatsu.net/amazonlinux2-palworld-server/#i-3
に設定項目の一覧を記載しています。
設定ファイルでポートを変更して起動しても指定したポート番号で起動しない不具合があるようです。
不具合の対策のため、ショートカットを作成してそちらから起動するようにします。
PalServer.exeのショートカットを作成します。ポート番号を指定するオプションを追加します。
今後はこのショートカットのダブルクリックから起動できます。

ショートカットのプロパティを開き、「リンク先」の末尾にportオプションを追加します。
リンク先の設定値
D:\\steamcmd\\steamapps\\common\\PalServer\\PalServer.exe "port=54800”

ローカルのPALWORLDサーバーへの接続をテストする
ローカルで立てたサーバーに接続する場合は 127.0.0.1:54880
、外部からアクセスする際は グローバルIPアドレス:54880
を指定し、接続ボタンを押します。

※画像の例では「パスワードを入力する」にチェックを入れていますが、設定ファイルのServerPassword
項目を設定していない場合は不要です。
DDNSを利用してグローバルIPアドレスの変更に対応する
インターネットサービスプロバイダと固定グローバルIPの契約をしていない場合、インターネット接続が切れたタイミングなどで変わってしまう可能性があります。つまり、パルワールドに接続するときのIPアドレスも変更しないといけません。それは面倒なので、DDNS(Dynamic DNS Service)を利用します。
DDNSを利用すると、通常のDNSサービスのように、ホスト・ドメイン名からIPアドレスに名前解決することができるようになります。
グローバルIPが変わった場合に、DDNS側に新しいIPアドレスを通知することでホスト・ドメイン名にアクセスした場合のIPアドレスを変更することができます。
今回は利用料金が永久無料のDDNS Nowを使用していきます。

サイトにアクセスして希望サブドメインとパスワードを入力し、「登録」をクリックします。
「登録が完了しました」と表示されれば完了です。
続いて、IPアドレスの自動更新を設定します。今回はブラウザの拡張機能をインストールして対応します。
DDNS Nowのブラウザ拡張機能をインストールします。

インストール後、拡張機能アイコンからIPv4/IPv6の自動更新をオンにすると、以降は1分ごとにIPアドレスを検出し、自動更新します。
設定が終わったらDDNSで設定したURLが、自分のグローバルIPアドレスに名前解決できるかチェックしてみましょう!
コマンドプロンプトから以下コマンドで名前解決をテストします。
nslookup <DDNSで設定したURL>
グローバルIPアドレスの回答があれば成功です。
外部からの接続をテストする
他のネットワークにあるマシンからアクセスして動作を確認しましょう。
パルワールドの専用サーバー接続画面から<DDNSで設定したURL>:54800
へアクセスして接続できれば成功です!
もし接続できない場合、お使いのパソコンに入っているアンチウイルスソフトウェアによって接続が拒否されていないかを確認してください。
まとめ
今回は自宅のWindowsマシンをパルワールドサーバーとして公開する方法を紹介しました。設定箇所が多くなれない方には難しいかもしれません。
ルータの設定やファイアウォールの設定、インターネットサービスプロバイダー、アンチウイルスソフトウェアによっても設定が変わってくるのでご自身の環境に合わせて調べながら進めていきましょう!
この記事が参考になれば幸いです。
サーバーやローカルPCが普段どうやって動いているか、勉強にもなります。ぜひチャレンジしてみてください!